2012年6月14日木曜日

迷惑防止条例

女性の尻盗撮で自称消防署員を逮捕という小さい事件があった。
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20120613-966461.html
「商業施設の通路で、ズボンをはいた女性の尻の動画をデジタルカメラで撮影した疑い。」
「カメラには100人以上のズボンをはいた女性の尻の動画や画像が残っていた。」

迷惑防止条例違反の疑い、ということなのだが、
大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
のことだと思われ、この条文が該当するらしい。

第六条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
二 人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着を見、又は撮影すること。

ポイントは2つあって、「人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような」という但し書きがあるのと、「身体又は下着」が対象であるということ。
尻の写真を撮られるのが著しい羞恥か、というのは極めて疑問で、だいたい人に見られるのが当たり前のものである。膝ならどうかとか、「うなじ」はどうなのかとか考えると、尻もかなりシロに近いように思う。
顔を撮るのと違って、十分な匿名性もあるように思われるし。

また、条文では「身体または下着」を「見、又は撮影すること」が禁止条項になっているのだけど、ズボン自体を撮ろうというのが目的であればいいんだろうか、という疑問もあり、ファッション雑誌が街頭で撮る写真との差異は極めてあいまい。

であれば、この条例違反の成立には羞恥あるいは不安が前提にならなければならず、写真を撮っているのを見かけた別の女性が110番したという今回のケースでは、取られた本人が「著しく」恥ずかしかったという告白が必要なのではないのか?

また、当人の羞恥あるいは不安がない方法、例えば公共の場所で望遠レンズで撮るという方法を取れば罪にならないのか? これは多分肖像権の話と盗撮の話なのだが、これも線引きははっきりしない。

肖像権のwikipediaより:
「条例レベルでの規制はまちまちであり、被写体が写真及び映像の画面上の一定以上の割合を占めた時点で、無許可撮影が条例に抵触する場合があり、公道や海岸で景色を撮る場合でも注意が必要である。」

尻フェチが尻の写真を撮るのは犯罪で、靴フェチや二の腕フェチが自分の性的好奇心を満足させるのは問題にはならないとすれば、不公平な気がする。

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