2012年8月28日火曜日

「わいせつ」と「みだら」の違いは?

さて、「みだら」と「わいせつ」の差は何か、という話です。 きっかけは最近あった事件報道で、「女子高生にみだらな行為 大阪府警24歳巡査を逮捕」 というものです。 この手のニュースの中では、「わいせつな行為」とか「みだらな行為」というのが出てきますが、それは区別されているのか?
新聞の用語なので、当然用法がきちんと定義されていると思われます。 が、同じ事件でも、「みだら」を使わず「わいせつ」で通している記事もありました。
女子高生にわいせつ容疑、大阪府警の巡査逮捕」(朝日新聞)

ネットで見ると、諸説あります。
「わいせつ」が法令用語で、「みだら」が一般用語だという説
年令で区別するという説、性交または擬似行為が含まれているのが「みだら」 という説
いろいろと見ていると、やはり行為に及んだかどうかがポイントのようです。 今回の事件で、「みだらな行為を携帯電話のカメラで動画を撮影された」というのは、 いわゆる"羽目鳥"のことでしょう。裸の写真は「わいせつな」と表現している記事もありました。
新聞社の用語の内規的なものは見つけることができませんでしたが、
神奈川県青少年保護育成条例全文
第31条 何人も、青少年に対し、みだらな性行為又はわいせつな行為をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又は見せてはならない。
3 第1項に規定する「みだらな性行為」とは、健全な常識を有する一般社会人からみて、結婚を前提としない単に欲望を満たすためにのみ行う性交をいい、同項に規定する「わいせつな行為」とは、いたずらに性欲を刺激し、又は興奮させ、かつ、健全な常識を有する一般社会人に対し、性的しゆう恥けん悪の情をおこさせる行為をいう。

小学生の女児の唾を集めてビデオに撮影した、という「唾くれおじさん」については、 「みだらな言動」とされています。
これはどう解釈したらいいのか、ちょっと困りますが、この行為がわいせつかというと通常の観念ではわいせつには当たらないような気がしますし、社会通念から外れたというところで、「みだら」の方が適当だということでしょうか。
最初の朝日新聞の例に戻ると、記事を書いた時点では行為に及んだかどうかが不明だったのか、用語のルールが違うのか...

2012年8月14日火曜日

関電の電力不足予測は嘘つきか?

京都民報Webでの 関電「電力不足予測過大だった」 大飯3・4号機の3倍増 という記事を受けて、facebookを中心に、関西電力は嘘つきで、故意に誤って過大な需要予測を根拠に 大飯原発の再開を強行したという趣旨のコメントが複数見られました。
本当かと思って関電のサイトを見ると、けっこう詳細に各種のデータが公開されています。 これを見ると、記事の主張は正しくないと思えます。 関西電力の発表している数値を信用するのであれば、大飯原発が無くても乗りきれたというのは結果論にすぎないと、私は判断します。

まず、「405万キロワット電力供給量が増えています」という部分ですが、水力は当然ながら降雨量しだい、他社融通はさまざま調整とお願いの結果得られた増加なので(これは関電の社員から聞きました)、5月の時点では見込みにカウントできなかったはずです。
揚水発電の供給量が「223万キロワット(予測)→448万キロワット(7月6日)」と増えたのは、 電力があまり逼迫していないからこそ、であることがわかります。 関電のトップページにある「今夏の需給見通しと節電のお願いについて [PDF 190KB]」を見てみましょう。 資料の6ページによれば、 揚水発電の発電可能量が2,768万kWhで、1日に12.4時間供給が必要とすると、割り算で1時間あたりの供給量が223万kWWになるという計算です。 供給時間が短くなれば、ピークは伸ばせるということです。

需要のほうはどうでしょうか? 「3・11以前の、何も気にせずに電気を使っていた当時とは違います。」ということですが。 別の資料の2ページに、2010,2011,2012の対比で、気温と電力需要とをxyプロットしたグラフがあります。これによると、2011年の需要のピークが低いのは節電が進んだためではなく、最高気温が2010年ほどでなかったからであるということが分かります。
大阪市による2011年の節電のまとめからも、それが読み取れます。
http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000143898.html
関電資料のグラフにもあるように、2010年対比では、電力消費は約9%のダウンということです。 それでも、気温が36度を超えるようなことがあれば、需要は2900万kW程度になるということが読み取れます。

私の立場は、原発は安全面の整備を続けながらゆるやかに縮小すべき、です。 原発反対のムーブメントは市民運動としては正しいと思いますが、事実に対する公平さを欠くようでは主張も適切に伝わらないでしょう。 電力会社は最大需要を予想して突発の停電が発生しないようにする社会的な使命を帯びているわけですから、結果的に足りていることを理由に嘘つき呼ばわりするのはいかがなものかと思います。

2012年8月11日土曜日

ガレキバッジ騒動

オリンピック開会式の日本選手団退場騒ぎについては、前に書きました。

しかしまだいろいろくすぶっているようで、今日もこの千葉県議さんのブログをFBで引用している人が
ありました。
http://kurakurasakura.blog.fc2.com/blog-entry-317.html

それに対するコメントが、
「がれきバッジをつけさせた野田はオオバカ。退場誘導されても文句を言えない日本人選手たちの馬鹿さ加減。それを報じないmediaのバカ。バカそろいの日本。アキレテ、アキレテ、オオアキレ。」
だそうで。

ブログの主張はちゃんと受け止めるべき点もあって、廃校になっている小学校の校庭に積み上げられたガレキの写真を使って、象徴的に広域処理の必要性を訴えているなんてことはあるんでしょう。
放射能汚染を日本中に拡散することによって放射線障害が出た時の補償の問題をあいまいにするとか、
広域処理に利権が絡んでいるとか、そういったことは実際にありうると思います。

細野サンのFBが炎上したという話もありました。
http://www.facebook.com/photo.php?fbid=508140529203050
人工地震(計画地震)とか、いろいろ面白そうな話も出てるようです。
こちらは、いろいろな方面の見方を盛り込んだブログ。
基本路線は、バッジは広域処理の宣伝のためであるという姿勢に見えます。
http://ikeda102.blog40.fc2.com/blog-entry-855.html

一般の反応はひどいものです。

http://togetter.com/li/349311?f=reco0
これの、「以下、アレな人たち」のコメントなど。
・「宮城の流木」がいつのまにか「福島の放射能ガレキ」になっている
・バッジが選手団退場の理由になっている
・バッジの携行が放射能拡散とされている
・放射能拡散しているから、野田首相が国際社会の恥?
など、言いたい放題ですが、こういう人達はただ騒げればいい人達なのでしょう。

放射能拡散は食い止めるべきですが、バッジそのものが放射能拡散になっているという主張は危険です。
(測定結果が出ているのは見つけられませんでしたが)
測定結果もなく、「宮城だから当然汚染されている」などとの発言は、地域差別につながり得ます。
この人達は、宮城から避難してきた人とは一緒にいたくないとか、福島出身の人とは結婚できないとか言うのでしょうか。
原発絶対反対の立場で東北を応援しているつもりが、実際には被災地を差別する発言になっています。

あくまでも客観データをもとに考えるべきでしょう。

2012年8月6日月曜日

ロンドンオリンピック開会式 日本選手団退場の真実?

大変な話題ですが、ロンドンオリンピックの開会式で、日本選手団だけがフィールドを追い出されて
聖火の点火以降のセレモニーに参加できなかったという話。

もともとはロンドン在住の日本人のblogでネットに火がついたということですが、
マスコミではそれほど騒いでいないように思います。

2CH方面では韓国の陰謀+買収だという話が出たりしてます。
英国人の日本人差別だとか、云々。
http://logsoku.com/thread/ikura.2ch.net/ms/1343702558/

最近ではさらに、日本選手団が福島の瓦礫でできたバッジをつけていたために、
放射能被害を嫌った運営側が強制退場させたという話題が出て、大盛り上がり。
http://blog.goo.ne.jp/jpnx05/e/2ebd36d7da3d85d950d2c0893ec76c21
http://togetter.com/li/347891

これの元ネタはこれかな?
http://fukushima-diary.com/tag/opening-ceremony/

そもそも、福島じゃなくて宮城だし、入場行進の途中で持ち物チェックしているわけでもなかろうし、
どうしてみんなこんな話を信じるのか。

真実に近いだろうと私が信じるのは、この辺です。
WallStreetJournal
http://jp.wsj.com/japanrealtime/blog/archives/13020/
China.org.cn
http://www.china.org.cn/sports/2012londonolympics/2012-08/03/content_26116256.htm

要するに、
・行進に参加した44名のうち30名がコンディション調整のために早めに帰りたいと申し出ていた。
・現場での混乱のため、日本選手団全員が退場のほうに案内された。
・(当然ながら)一度退場してしまうと再入場は不可能
・運営側からはすでに謝罪があり、選手団からのクレームはしないことになっている

...だと、私は思いますが。

2012年8月2日木曜日

台湾でDali

台湾ではいろいろと面白いこともあったのだが、遊びに行ったわけではないので少しだけ。

土曜日に市内観光の初心者コースを回ったわけですが、中正紀念堂にも、まあ行きますわ。 蒋介石の顕彰施設ということなので、あまり期待せず、大きな建物があるんだろうというぐらいで行ったのですが、 ここでアタリがありました。
なんと、Dali展です。
Daliは、新婚旅行の時にFigueresまでわざわざ行ったのと、あと、パリのモンマルトルの小さな美術館にも行ったことがあって、それなりにフォローしているのです。 それを台湾で見るとは...

内容はけっこうまとまりのない感じで、彫刻作品、平面作品、家具などさまざまでしたが、 本の挿絵のようなシリーズがけっこう充実していた。 Carmenの連作とか、 Alice's Adventure in Wonderland とか。 中でも、Aliceはなかなか魅力的で、途中でわざわざもどって「二度見」してしまいました。
2500コピーオリジナルがあるということで、1枚バラなら3万円ぐらい? 全部あわせても40万円ぐらいで買えたりするらしい。 彫刻作品も、オフィシャルレプリカなら何十万円かで買えるのもあるようで、いまのところ家がまったく似合わないので 押しとどまってますが、ちょっとその気になると、手を出してしまうかも。