甲状腺調査について
http://sozo-y.blogspot.jp/2012/11/blog-post.html
前に書いた時には見逃してましたけど、
http://takumiuna.makusta.jp/e194532.html
ここでは、医師という人が、こんなように書いています。
1. 内外の甲状腺超音波検査成績をまとめると、10 才前後の小児に「のう胞」
が発見される割合は、0.5~1%前後である。
2. 福島県の小児(平均年齢10 歳前後)の35%にのう胞が発見されているこ
とは、これらの地域の小児の甲状腺が望ましくない環境影響を受けている
おそれを強く示す。
しかし、のう胞の判定基準についてはちゃんとした考察がされていないのです。
同じ基準で測ったデータでないと比較しても意味がないのは当たり前のことで。
これについて、やっとニュートラルっぽい記事を見つけました。
SYNODOSジャーナル 「放射線の健康影響をめぐる誤解 片瀬久美子」
http://webronza.asahi.com/synodos/2012071900001.html
この人は、癌の疑いが出た札幌の女児のことをバッサリと否定しているので、親原発の人である可能性もありますが、分析は確かなように思いました。
「まして今の段階では原発事故発生後1年少々しか経っておらず、甲状腺癌の成長の遅さを考えると発症が早すぎますので、もし癌が見つかったとしても原発事故との関係は薄いと推定されます。」ここは、反原発一本槍の人は、チェルノブイリでも4年経ってから出た影響が、福島では1年で出た、というところです。
Goiter(甲状腺腫)の基準は” The criterion for goiter in Gomel was a thyroid exceeding the volume calculated by the formula developed by us [9] and Parshin et al. [10], and the criterion for goiter in Nagasaki was a thyroid exceeding the volume calculated only by the formula developed by Parshin et al. [10].” とあり、所定の計算式に従って計算した体積を超える甲状腺となっています。福島の甲状腺検査ではこの様な基準では分類していないので、データを比較することはできません。
これがとっても残念なところで、「所定の計算式」がどのようなものか、それが福島の調査結果とどのように対照できるか、が示されると良かったんですけどね。
この程度の差では、長崎よりも福島の方が陽性の結節をもつ人が多いと判定することは困難です。ゴメリでの調査結果(1.74%)については、ゴメリの被験者数は充分に多いので、福島よりもゴメリの方が陽性の結節をもつ人が多いと考えられます。
結論は、やっぱり親原発寄り。
しかし、こっちのほうが、真実に近いと考えています。
だからと言って、安全だと考えているわけではなく、子供を放射線障害の可能性がある地域から逃すべきである、という点では、センセーショナルな書き方も役割を果たしていると思います。
それでも、必要以上の心配が、病のもとになっているかもしれない、という視点もあります。
こういうことを書くと、「安全デマ」と言われてしまうわけですが。