2016年3月6日日曜日

"run" は「走る」か「逃げる」か

英語の run は「走る」だと、中学校で習う。 なので、訳すときに反射的に「走る」としてしまうことが多いのだけれど、実は「逃げる」というのがけっこう根っこにあるのではないかと、思っている。 単語の run には実にいろいろな意味があって、会社を経営するとか、定期運航するとか、色がにじむとか。 Kate Bush の Aerial に収められている The Painter's Link には、こういうフレーズがある。
[The Painter:]
It's raining
What has become of my painting
All the colours are running

[The chorus:]
So all the colours run
So all the colours run
See what they've become
A wonderful sunset
前半は、絵描きが色がにじんでしまうと嘆いているところ、後半は曲調が変わって、それを見る女性が、色が生命を帯びて動き出すと喜んでいる。 OEDの定義で言うなら、それぞれ
[NO OBJECT] (Of dye or colour in fabric or paper) dissolve and spread when the fabric or paper becomes wet:
Pass or cause to pass quickly in a particular direction:
これを
ああ、色がにじんでゆく...
あっ、色が虹になっていくわ!
と訳してみたのが、我ながら上手かったので、改めて書いた。

本題はこれではなく、「逃げる」の話。
フォレスト・ガンプの映画で、学生の頃のフォレストが同級生に石を投げられるシーンで、彼女が "run!" と叫ぶのだけれど、日本語字幕は「走って!」だった。 あれは、やはり「逃げて!」の方が適切なのではないか、と思った。 この例に限らず、翻訳されると「走れ!」になっていることがしばしばあるようだ。
あるいは、Pink Floyd の Run Like Hell での Run, Run, Run, ... も。 オフィシャルでどう訳されているか調べていないけど、これも「逃げろ!」だろう。
ところが、Oxford Dictionary を見てみても、逃げるという意味の定義が見当たらない。
  Oxford Dictionary - run
見逃しているかもしれないけど。
Webster を見てみると、こちらには書いてある。
  Webster - run
  flee, retreat, escape
Oxfordの定義が不十分なのか、あるいは「逃げる」を意図的に避けているのか?

2015年2月9日月曜日

カラオケのキーチェンジの話

カラオケでCDなどの音源でピッチを変えると気持ち悪くなるのに対し、MIDI音源だとどうして自在にピッチが変わるのか、という話。

カラオケの機械でキーの上下を操作できるが、これは1ステップが半音なので、12ステップで一回りする。 プラスマイナス7まで操作できたりするが、プラス6とマイナス6とは歌うピッチでは同じことなので、7まで行くのは実はあまり意味がない。
レーザーやCDGのオケでキーを変える場合には、その波形をもとにピッチ変更の操作をする。 このアルゴリズムはいろいろとあるが、基本的には タイムストレッチ、ピッチシフトのアルゴリズムに書いてあるような アルゴリズムが基本になる。 この他にも周波数領域に変換して周波数領域でシフトするような高級なやり方もあるらしい(wiki参照)が、カラオケマシンなどでどこまで使われているかは分からない。

低音の方が気持ち悪くなるのか、というのをうまく説明できなかったので、実験をしてみた。 サインウェーブのスイープをマイナス5ピッチシフトしてみて、波形がどうなるか。 使ったのは、SoundEngine Free の音程アルゴリズム。GoldWaveも試してみたが、振幅(ボリューム)が大きく変わってしまったり、 低域のくずれがひどかったり、あまり良くない。

1つ目の例は、880Hz。音叉のAのオクターブ上(A5)だが、この辺だと破綻なくピッチ変更ができている。 上段がもと音源、下がマイナス5でできた波形。

A2の110Hzぐらいまでは、問題なく同じようにピッチ変更ができているが、 これが超低域になると難しくなる。

2つ目の例は、35Hz近辺の例。 ピアノの最低音(A0)より少し上というところ。 同じく、上段がもと音源、下がマイナス5でできた波形。

かなり波形が暴れているのが分かる。 音楽には基本音の倍音だけではなく、低域の信号も含まれているが、その低域の信号のピッチ変更をすると、 このように位相関係がバラバラになってしまって気持ちの悪い音になってしまう。

これは、時間軸方向にウィンドウを区切って処理をするためで、例えば50msecのウィンドウを切るとすれば、 880Hzならそのウィンドウの中に44サンプルが入るので、それを延ばしたり縮めたりしても、 もとのパターンを再現できる精度が高い。 35Hzだと、50msecには2サンプル入るか入らないか、というところ。 これだと、伸び縮みさせたあと、端が隣の区間と合わないので、つじつまをあわせるのが ややこしくなる。 壁紙のパターンが小さければそれなりに合わせても柄が合うけど、大きなパターンになると柄合わせを するためにきちんと計算しないといけないのと同じこと。

MIDI音源だと、キー変更をしたときには、ピアノならピアノ、ベースならベースの音源の別の音程の音源を鳴らすので、 それぞれがきれいに発音されて合成される。 加えて、ドラムスのトラックは、キー変更に関わらず同じセッティングで再生されるはず。 ドラムスの音は、ピッチを変えると(特に下げると)気持よく聞こえない。 原音 / キー+5 / キー-5 のサンプルを作ってみた。
ドラムス(元/+5/-5)
もとの音に対し、ピッチを変えた場合、とくに下げた場合には違和感を感じるようになっているのが 分かる。

いわゆる「生音」カラオケだと、MIDIのオケと違い、やはりピッチ変更には弱くなる。 キーを変える場合には、生音よりもそうでないオケを選ぶのが良い。

2015年1月25日日曜日

日本でも week number 表記を

仕事で予定を言う時に、2月の上旬とか3月の中ごろとか言いますが、
上旬と言うと、15日までなのか、上旬中旬下旬を考えると10日ぐらいまでなのか、とてもあいまいになってしまいます。

そういうときに、week number で言いたいと思うことがあります。
今年の例だと、本日1月25日は week 4 の日曜日ということになり、締め切りで week 4 と言えば 1/23の金曜日までに出せ、ということになるわけです。
UKにいるときには、これがけっこう普通で、使いやすいなと思ったものです。

そもそも、1週間が日曜日から土曜日なのか、月曜日から日曜日なのか、という問題もあるのですが、これは国際標準としては ISO 8601 で決まっていて、月曜から日曜が「正解」です。
日曜日から始まるというのは、カレンダーでは一般的ですが、キリスト教での決まりではそういうことになるようです。
手帳は月曜始まりが普通ですね。
このあたりについては、詳しく述べてあるサイトもたくさんあります。

暦と天文の雑学 - 曜日の順番・曜日の生い立ち

週の始めは土曜日?

経理などは月例で回すことが多いですが、一般的には仕事のサイクルは週で回すことが増えているように思います。
月報ベースだとサイクルが長すぎるし、定例会議などは曜日を決めてウィークリーにしていることが多いのではないでしょうか。
そのときに、「来月下旬までには」などと言っていると、合意ができているようでぜんぜん違うことを言っているということも起こってしまいます。
逆に、そのあいまいさに頼りたいという場合もあるわけですが。

しかしながら week 25 までに、と言っても、6/15(月)から6/19(金)の週を指すと分かる人は日本人では少数派だと思います。
週の単位で言いたくても、「6月15日の週」とか言ってしまいます。
これが、なんとも残念な感じがしてしまいます。
日本でも使うようにならないかな、と思います。
日本で使うときには、「第25週」とか言うんでしょうか。
それはそれで、妊娠第何週目みたいになってしまいますが。

さて、この week number の定義ですが、ISO 8601で決まっていまして、
その年の最初の木曜日を含む月曜日から日曜日までの1週間が week 1 で、52か53までカウントアップすることに決まっています。
手帳に表記が付いているケースも、実は増えているので、日本でも使える素地は出来てきているんじゃないでしょうか。

2014年9月28日日曜日

Superdry 極度乾燥(しなさい)

ロンドンのリージェント・ストリートを歩きながら、子供への土産を何にしたらいいかと話していたとき、
「極度乾燥(しなさい)」という違和感のある日本語が目に入ってきた。



店に入ってみると、なんだか日本と日本語がテーマになっているらしく、いわゆる Engrish な感じの日本語がたくさんあって、
いかにもいかがわしいのだが、店のつくりは大真面目かつ高級な感じ。


スーパードライと言わず、スペリドリというのは、故意か?


なぜか大阪。「会員証な」


「製造所」「制を作」と書きながら、堂々の Assurance of Quality。


「極度のガソリン」


一度は通り過ぎたのですが、ちょっと気になって調べたところ、
【SuperDry 極度乾燥(しなさい)】が英国から逆上陸!間違った日本語が人気の秘密かということで、Naverまとめが出てたりして、ダニエル・ラドクリフ君が「TOKYOな」を着ていたりということで、いいんじゃないかということになり、これが土産になりました。


しかし、これが上野に売ってたら買うかというと1000円以上も出しては買わないだろうし、まして上海の土産物屋に売ってたとしたら、間違っても買わないだろうと思うわけです。
日本語の中に、正しいか間違っているかも分からない中国語も混じっていたりして、かなり複雑な気持ちになります。
なんだかUKのセレブも着ている英国発ブランドだからというだけで、こんな間違った日本語を面白がっているのがファッションになってしまうというところに、欧米崇拝は生きているんだなと。


日本でも通販とかで買えたりするようですが、本格上陸はあるんでしょうか? その時にはどんな路線でやって来るんでしょうか。このへんもちょっと楽しみ。

2013年11月24日日曜日

やっぱりバンドもやってみたい

9月の頭にどうでもいいようなことを書いたきり、何も更新していなかったのにはわけがあって、10月11月と自宅ではヒマがあればピアノかギターを触っている生活をしていたのでした。

10月のことは、Facebookで書いたつもりになっていたら、「秘密」のグループにしか見えない設定で投稿していたようで、
そのままにしてましたが、それも含めて、新鮮なうちに書き留めておこうかと。

10月のイベントは、蕨のハニーフラッシュさんでのケイト・ブッシュ・セッションという世にも稀なイベントでした。世界的もカバーバンドはあるけど、セッションでケイト曲をやろうかというのはあまり無いはず。
かれこれ33年ほどずっとフォローしているので、これはなんとしても参加しなければ、ということで、行ってきました。なんでもハニーフラッシュはプログレ系の聖地とも言われているそうですが、それも構わず、できるだけ参加しようということで、歌を2曲エントリーしたほか、ピアノもやってみようと、Wuthering Heights のピアノもエントリーしたわけです。
これは大変なことで、なにせ代表曲ですからそれなりにちゃんとやらないといけないということで、普段は弾かないピアノを練習しなければということになり、ほぼ1ヶ月前から毎日1回は練習することを自分に義務付けていたわけです。


当日は、とにかく楽しかった。
まあ、バンド形式で生音の中に入れるというだけでも十分に楽しいわけで、カウントから一斉に音出しするときとか、ゾクっと来るものがあります。ボーカルはともかく、ピアノはかなり緊張するかと思ってましたが、店のレイアウトではピアノブースが一番後ろなので、それなりに落ち着いてできたかなと。


で、11月23日には、divaの「アコナイ」ことアコースティック・ナイトというイベントで、今度はまた大変な曲をやることになりました。
普段洋楽カラオケをやっている人たちが、生楽器伴奏や弾き語りで演奏しようというイベントです。
ピアノのamamoriさんが伴奏をしてくれるということで、みなさんしっとりとしたピアノ曲が中心の選曲でしたが、ここはエマーソン好きのamamoriさんのプレイをぜひ聴いてみたいということで、ELPの "Karn Evil 9 1st Impression, Part 2" というのをぶち込みました。

入れてからちょっと後悔しましたが、もともと4人ぐらいでやらないと成立しない曲なわけです。
パーカッションは入ってもらうことになっても、ギターとベースのパートは無しにはできない。ということで、これもまた猛練習ですよ。
ドシラソファミレドシラをどれだけ練習したことか。

さすがにややこしい曲なので、早めに入って練習させてもらいましたが、1回目の合わせのグダグダなこと。どうなることかと思いましたが、3回めぐらいで、やっと落ち着いてきて、捨てるところは捨てる決心もつきました。

出番がほぼ最後だったのですが、ほかの人の演奏もそれぞれにすばらしく、やはり生演奏では愛情の出方が違うなあと感心してました。
本番は、ギターはいまいちでしたが、曲全体としてはほか2人の愛と気合の入った演奏に助けられ、出しきった感がありました。

やっぱり、バンドっていいね、と今ごろになって思うわけです。
高校の時はなんだかややこしい音楽ばかり聴いていたので、自分で演奏しようっていう方向にいかなかったし、ギターも買ったけどアリスなんかはもっと上手い奴らがやっていたので、人前でやろうと思うこともなく。
大学のときには、仲間内でちょっとだけやってみたことは、ある。
Call Me と スパークル と 夏の扉 をやった。これはギターで。でもぜんぜんできてなかった気がする。

今さらながら、もうちょっと楽器もやろうかという気になる。
失われた青春を取り戻そうって感じでしょうか。
35年あこがれだったジャズベを買うか? ギターをやるのか、ピアノを弾きたいのか。

なんでもいいけど、全部ちょっとずつっていうのが、一番楽しいのかも。


2013年9月1日日曜日

バーバリーのトランクス

前回の投稿で、男性ファッション関係の話題を、というような期待もチラッとでたのですが、その手の話題はあまり持ってないのです。
仕方がないので、バーバリーアウトレットの話題など。

カーディフに住んでいた時に、割りと近くにバーバリーの工場があって、そこにファクトリーアウトレットがあった。トリオーキー(Treorchy)という、Rhonddaの山を上がっていったところ。
当時はここに工場があって、それに併設されたファクトリーアウトレットのショップがあった。今はこの工場は閉じてしまって、生産はスロヴァキアだかパキスタンだかに移ってしまったはず。
日本人には人気があって、行くと必ず日本人に会うという噂もあったけど、行った時には会わなかった。

ここではやはりコートを買いたかったわけですが、サイズが合わず(日本人向けに作ったものしか合わないらしい)、ジャケットとか小物をいくつか買いました。
で、ついでに買ったのがバーバリーブランドのトランクスです。
値段は覚えてないけど、あんまり決心して買った覚えもないので、そんなに高くなかったはず。
いまAmazonを見たら、2940円というのがでてます。
写真はあんまり生々しくないように畳んでみました。
ペイズリー柄で、さすがにオーセンティックな感じです。

これはけっこう気に入っているのですが、「勝負」のチャンスがあるわけでもなく、宴会芸で脱ぐわけでもないので、残念ながら披露する機会に恵まれません。
消耗品なので、あるうちに写真でも撮っておこうかという感じ。

2013年8月18日日曜日

Church'sの靴

もう2ヶ月も何も書いていないようなので、暇ネタで好きなものを書いてみる。
Church'sの靴を買ったのは、UKからの帰任が決まってから、何か思い出のものなど買わなければいけないという切迫感があった時だったと思う。
なんの変哲もない黒のストレートチップで、値段は覚えていないけど、160GBPぐらいだったか。当時は1ポンド240円の時代だったので、けっこう思い切って買った記憶があるけど、今のレートだと2万円少しの計算。
今でも、日本のちゃんとしたところで買うと、7万円とかしているらしい。

この靴はとてもしっかりした作りで、履き慣らすまでが大変だった。
あちらの靴らしく、当然日本人向けにはできていないので、小指のところが狭くて何度も皮がむけたし、カカトも靴底が曲がりにくいので痛かった。
結局、完全に慣れるまでには2年ぐらいかかったような気がする。

しかも、買った状態ではソールが皮なので、ツルツルの床が雨に濡れたりすると、とても良く滑る。
石張りか木の床しか想定されていないらしい。
これは、日本に帰ってから、ゴムのソールを貼ってもらって良くなった。

慣れてしまえば快適で、靴底が見事に自分の足になじんでくれている。
重みも適度で、本当のちゃんとした靴という感じがするし、ちょっと磨くと新品のような艶が出る。
靴屋に修理に持っていても「いい靴ですね」とほめてもらえるそうな(私は直接聞いたことはない)。


あと、おまけに買ったシューキーパーがまた絶妙な曲線で、撫でていても気持ちいい感じ。
靴がダメになっても、このシューキーパーはずっと付き合ってくれることでしょう。