統一教会の問題から出てきた救済新法、狙いは分かりますが、適用が難しそうです。
そもそも、霊感などの実証できない特別な能力というけど、宗教というのはそういうものでしょう。壺を買わないと不幸になりますと脅すのと、厄年にはお祓いをしてもらわないとの間に、どんな線を引けるんでしょうか。
御守りやお祓いなどの世間的に認められているものには影響が及ばないように、というのはたいへん勝手な話で、好き嫌いで判断することになってしまわないでしょうか。
これをあまり強くやると、じゃあこの神社の御札にどのような効果があるか立証してくださいということになってもおかしくない。脅迫や不安に陥れる行為があるかがポイントというかもしれませんが、宗教って人の不安を収める働きも大きいわけなので、不安につけ込んで「浄財をいただく」ものです。
当人が満足していればそれでいいんだ、ということになりますが、そうすると今度は気が変わったときにどうするかが問題になりそうです。壺を買ってしまったけど今私は目が覚めましたのでお金を返してくださいというのは、服を買ってしばらく機嫌よく着ていたけど、やっぱり似合わないような感じなので返品しますというのとどう違うんだろうか。
信仰の問題だとすれば、信じて買ったときにはそのご利益を受けているわけです。受験に落ちたから天満宮の御札は返金してくださいとは言えないというのが社会通念ですが、宗教法人側が、「もうそのご利益をお受けになっています」と主張したらどうなるか。変な議論をすると宗教の意味を全く否定するようなことにもなりそうな気がします。
結局、詐欺や恐喝など、他の法律で裁けるような極端なケースしか救えないんじゃないでしょうか。
[Facebook 2022-12-10 投稿]