2020年8月13日木曜日

演奏のディレイはどこまで耐えられるか 検証してみた

ブログの投稿もずいぶん久しぶりです。
このところ、Syncroomを使ったリモートでの演奏や、宅録で音を合わせるということが増えています。ディレイが問題になるわけですが、どのあたりまで耐えられるのだろうかというのを、検証してみました。

ネットには isolated tracks というので、楽器ごとの音が別々に聴けるようになっているのがあり、その中からデュラン・デュランの曲を使っています。

確認した結果は、YouTubeに上げていますが、楽器ごとにタイミングを前後にずらして、許せるか許せないかの境目をサンプルに入れています。
たとえばギターの例だと、50msecの進みや遅れは許せるけど、70msecになるとちょっと目立つかなというのが私の主観で、-50msec(〇), -70msec(×), +50msec(〇), +70msec(×) のサンプルを入れています。


いかがでしょうか?
リズム隊のほうがタイミングがシビアでなければいけないということで、ドラムスとベースは20~30msecまでが許容範囲と考えました。一方、ボーカルやギターは50msecまではズレても「個性の範囲」と受け取れるように思います。
これは、あくまでも個人の感覚なので、人によっても違うでしょうし、好き嫌いも出てくると思います。

ベースとドラムスの関係では、ベースが早いほうが好ましいという印象がありました。ドラムスのビートをベースが包む感じでしょうか。ベースが遅れるとアタックが2つになってしまう気がします。

ベースとドラムスは30msecでNGとしましたが、ちょっと厳しかったかもしれず、15秒のセグメントでは分かりにくいかもしれません。
このあたり、リズム隊はきっちりビートを合わせないといけないという思い(先入観)から厳しく見ている気はします。
しかし、ベースとドラムスが80msecもずれると破綻するというのは、最後のセクションの例で分かると思います。

Syncroom(旧Netduetto)では、条件が良ければ20~40msecのディレイで収まるということですが、40msecのディレイがあると、ゆっくり目の曲か、あるいはリズムの軸になるパートが同じ場所にいないと厳しいように思います。20msecから30msecならなんとか成立しそうに思います。
先日、けっこうディレイの大きい環境で、ボーカルの人だけが別会場で合わせる機会がありましたが、最初はお互いに合わせにいって軸がつかめない感じでしたが、メイン会場側はボーカルに合わせにいかないようになって、ボーカルさんは食い気味に歌うというように調整して、だんだん良い感じになりました。

リモートでの合奏では、単なる時間ズレだけではなく、どちらがどちらに合わせに行くかというファクターもあり、音楽として成立するかどうかはもうちょっと複雑になります。

学術的な研究として、このトピックを扱っているのもみつけました。

学術的な研究として、このトピックを扱っているのもみつけました。
30msecでは違和感があるが対処可能であり、40msecだと同期性の維持が難しくなるということが結論されており、ここで確かめた内容とおおむね合います。


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