2024年3月31日日曜日

翻訳者トライアル覚え書き

 翻訳業界はなぜかネットに出ている情報が極めて少ないので、備忘録的に。

これまでに受けた英日翻訳者のトライアルの内容について、差し障りがないと思われる範囲でメモしておきます。


T社(2022年1月):

経験のないところからどうやって翻訳者としての仕事を始められるかと考え、当初はAmeliaの定例トライアルのIT・テクニカルでクラウン資格を取ろうとしたところ、これがなかなかハードルが高いものであることが判明(今に至るまで、Aを取れたこともない)。Ameliaのカウンセリングを受けてみたところ、Bぐらいが取れているのならトライアルを受けてみれば良いとアドバイスを受け、Ameliaサイトから応募。

結果、この1社目はトライアルも受けさせてもらえず、不採用の連絡のみ。


R社(2022年3月):

JTFサイトの求人から応募。この会社はほぼ常時求人を出している模様。

ITマーケティング、CAD/CAM、計算機関連、大手ITベンダ対応の4分野でトライアルを実施。2週間ほどの時間を与えられて、各分野の課題の英文を和訳するという課題で、特にしかけがある様子でもなかった。

1か月たっても連絡がないので問い合わせたところ、4分野中の2分野で合格になっていますが、システムの関係で処理が止まっているとの返信。しかし翌日には手続きが進み、登録となった。このやり取りを含めて何か試されているのではないかと思ってしまいます。

この社からは、翌月から始まって継続的に受注あり、副業で翻訳を始める契機となりました。ありがたい会社。


H社(2022年4月):

JTFサイトから応募。ここも常時求人を出している印象。

本トライアル前にWebでの事前テストがあり、英文が提示されてそれの誤っている箇所を指摘するという問題で、時間制限付き。これはなんとかパスし、トライアルは合計350ワードほどの英文和訳で主にITマーケティング系。

結果、「大変残念ですが、今回はお見送りさせていただくという結論に至りました」ということで、不採用。


S社(2022年7月):

B社から継続的に発注はあるものの、専業で翻訳を生業とするには仕事量が足りないということで、Ameliaから応募。

合計500ワードほどで、期限は3日ほど。内容は半導体のデータシートの一部だと思われ、後に受注する案件とも共通する。

2週間を待たずに合格の案内あり、登録。

ここも継続的に受注あり。TMがしっかりしていてレートが高めなのでありがたい。


M社(2022年9月):

2社から仕事を受けるようになって、会社も辞めて専業化するぞと意気込んだ時期。Ameliaの求人から申し込む。課題は2段階に分かれていて、第1段階は文章のエラーの検出や文章の穴埋めなど、共通テスト的な内容。第2段階はIT系、メディカル、ビジネスブログの翻訳3題。応募者が多い場合には第1段階で足切りをするのかもしれないが、第2段階もまとめて提出する形だった。

ここの課題は形式がしっかりしていて、スタイルガイドやインストラクション、クエリのフォーマットまでがついている上、回答の提出の仕方もZipパスワードの送信法まで含めて細かく指示が入っている。

結果、20日待ったあとに「慎重に選考を重ねました結果、誠に残念ながら今回についてはご期待に添えない結果となりました」。回答の提出時に、Zipファイルの添付を忘れて再送信するという痛恨のミスをやりました。それが原因で落ちたと信じたくはないですが、応募者に事欠かない状態であれば、少しでも瑕疵があれば落とすのかもしれない。


C社(2022年9月):

ここも上のM社と同時に申し込んだはず。課題は回答必須のものと選択可能なものが数題。訳文にコメントを付ける欄が設けられており、原文の英文に少なからず間違いがあるというトリッキーな設定。スペル間違い、文法上の不整合、日付と曜日の不一致など、だいぶ気づいてコメントしたつもりですが、対応に迷うものもあり、モヤモヤする課題でした。

1か月ぐらい返信がなかったので期待が膨らんだものの、返信は、「トライアルの内容およびその他総合的に判断させていただきましたが、今回の翻訳者登録は見送らせていただきたく存じます」

このときも、回答返信先のアドレスが指定されていたのに、Reply-Allで担当者宛に返信してしまうというミスがありました。指定アドレスがCCには入っていたものの、不安になってToにして出したのですが、こういうミスはやはり良くないはず。


H2社(2022年11月):

9月に2つ落ちて意気消沈したものの、なんとかしないといけないのでもう1社申し込み。ここの課題は面白くて、原文を検索すると訳文が出てくるのですが、それに間違っている部分がある。また、機械翻訳の訳文のポストエディットをする形の課題もあって、これはさじ加減が難しい。

課題提出後20日ぐらいで、めずらしく面接選考に進むという連絡がありました。Zoomで社長含め4人ほどが参加される面接があって、比較的早く登録の案内。職歴等から「ややこしい人」かもしれないと思われていたのを払拭できたのが良かったのかもしれない。

ここは某IT大手の仕事をしていて、ツールやシステムが整備されています。勉強になりますが、単価は高くないというところで、バランスが取れています。